2006-01-01から1年間の記事一覧

一日目

携帯がない事に気づいたのは、車が走りだして暫くしてからだった。 私はいつも尻ポケットに携帯を入れている。その状態で車の背もたれに深くもたれると、ずるずると尻ポケットから携帯が押しだされてきて、気づくと座席のクッションと背もたれの間にはまって…

光の名はアムネジア

朝一で図書館にいこうと思っていたのに、目覚めたら16時だった。やってらんねぇと不貞寝しようにも、寝すぎで眠くもならない。しょうがないので起きだし、夕飯の材料を買いに外にでる。妙に春めいた気候に腹がたつ。寝坊した日に限ってこれだ。これなら土砂…

1973年のポーの一族

先日、池袋ジュンク堂において開催された、萩尾望都×三浦雅士「出生の秘密をめぐって」に応募していたのだけど見事に外れる。当選者のみ葉書が郵送されるとのことだったので、それはもうわくわくしていたのに、いっかな来る気配はない。前日になっても、当日…

追記

「ドラえもん のび太とクトゥルフ神話」 http://www.luice.or.jp/~kemkem/nobita/nobita.htm 笑いすぎて激しく噎せる。

類友とお茶をするの事

先達てしばらく会っていなかった友人とお茶をした。一頻り久闊を叙し、近況を報告したのちお喋りに興じていると、そういえば、と友人が言った。 「秋篠宮家に子供が生まれるらしいね」 先月発表されたのだという。全然知らなかった。これで男の子が生まれた…

テレビから『タイムマシーンにおねがい』が流れてきた。見るとキリンビールのCMで木村カエラが歌っている。パッと見だったので自信はないが、高中正義とか高橋幸宏が演奏しているように見えた。えらく豪華なCMだなと思っていたら、え? 木村カエラがカバー? しかもオリジナルメンバーで? ひゃー。

ちと調べたいことができたので行きつけの図書館に出向こうと思うも蔵書整理で休みらしい。しょうがないので都立図書館に向かう。時候がらまだまだ寒風吹きすさぶ中での遠出は面倒くさいけれど、柔らかな日差しにだいぶ春めいてきたなと思うと少しは足取りも…

蝶を蛸と読み間違えていた事に今日気づく。『八本脚の蛸』ってまんますぎる。でもあの本の表紙は蛸の脚の断面に見え……ないかな、やっぱり。

色とりどりの文庫ひしめくワゴンの中から少しくすんだ色合いの赤い背表紙が眼に飛び込んでくる時の高揚感といったらないもので、先日赴いた月恒例の古本市にてようやっと山田風太郎『秘戯書争奪』を見つける。嬉しさの余り乱舞しそうになるも、この日の日記…

きょうよんだほんから

村上 (中略)ところで、本の紹介で思い出したけど、僕がときどき存在しない本について書いていたの知ってます?新元 え、どういうことですか。村上 昔の話ですけどね。やりたくないのに書評の仕事を引き受けて、いろいろ読んでも面白い本がなかったときはで…

きょうのできごと

その声が聞こえたのは、書店で夢枕獏『キマイラ青龍変』を立ち読みしている時だった。宇名月典善と馬垣勘十郎が焼き鳥屋で余人にはうかがい知れぬ気のぶつけあいをしているところだった。この馬垣という男が、キマイラ本編にでてくる当麻真玄流の馬垣勘九郎…

何を見ても何かを思い出す。

過日、爆笑問題の番組を見ていたら古川日出男がでていた。古川が語る創作の秘密、というような内容で、散歩をしながら妄想の世界を歩き、それが作品を生みだしてゆくのだという。普段、散歩をしながら何を考えているかを、スタッフがその散歩に同道し話を聞…

さいきんよんだほんから

四方田犬彦によれば、「あらゆる女の子を『かわいく』変身させてしまう、魔術的な装置」であるプリクラに「大人」としていち早く着目したのは種村季弘だったという。無時間性のうちに切り取られた空間。外部と遮断され、完全な平穏につつまれた密室で理想の…

不純な読書

樋口敬二編『中谷宇吉郎随筆集』をぱらぱらとめくっていると「I駅の一夜」という文章の中に「盛岡」という文字が目に止まる。おや、と思い読み進める。戦時中の話なのだという。戦時研究の大事な要件で上京するため北海道からでてきた中谷は、青森発上野行き…

『ケータイ刑事』を観るか『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』を観るかで友人と30分ほど話し込む。

書店で文庫の棚を見ていた友人が一冊抜きだし首を傾げたのでどうしたのかと尋ねる。 「いや、この本買ったかどうか思いだせなくて」 何を手にしたかと見ればダンセイニの『時と神々の物語』。ダンセイニなんか読むのかと少々意外の感を覚えるも、よく考えれ…

真処女や 西瓜を喰めば 鋼の香

帰宅してテレビをつけると風にひるがえる白い翼とそれをあやつる少女の姿があらわれた。『風の谷のナウシカ』だった。そういえばユパとクロトワ好きだったなぁ、と思いだすと懐かしくなり、着替えもそこそこに見入る。まともに観るのは十数年ぶりなのにもか…

ぼくは二十歳だった。それがひとの一生でいちばん美しい年齢だなどとだれにも言わせまい。

今どちらも手元に無く、曖昧な記憶に頼るしかないのだけど、この言葉を知ったのは確か大塚英志の『摩陀羅天使篇』か『多重人格探偵サイコ』の冒頭だったというのは間違いなく、それがわかっていれば書店にでも行って見てくれば良いので、さっき外出ついでに…

私をミステリーランドへ連れてって

このレーベルが「かつてこどもだったあなたと少年少女」に向けたものなのか、それとも現役ばりばりの子供に向けたものなのか、はたまたそんなくくりはどうでもよいからまず読んで、なのか知らないけれど、素敵な装丁、豪華な面子に、よくこんな本作ったなと…

ラッシャー木村は打たれ強い!

年末からどうにも体調がおかしいと思っていたら、風邪を引きかけていたらしい。実家に着いて、徹夜明けだからと布団に潜り込み、数時間して目覚めた瞬間、妙な寒気を覚えたと思ったら鼻水は止まらず、痰が絡む咳が喉をついてでる。これはいかんと、母に薬を…

貧乳問答歌

ここ数年、年末年始は友人と過ごすのが慣例となっている。今年は年越し鍋だということで、12月31日の夜、材料を買い込み友人宅を強襲する。皆がみな部屋に入りまず行うのが本棚のチェックというのは類友の証しで、微笑ましくもあるのだけど、その本棚の一角…

チャーリーと納豆工場

何の因果かしらねども、よりにもよって12月25日、世に言う「クリスマス」になんで私は寒風吹きすさぶ寺の境内で餅を搗いているのだろうという疑問はここ数年毎年覚えながら、その度、忙しさに紛れすぐに意識の流れに溶けてゆくものの、何故というにつまりは…