1973年のポーの一族

 先日、池袋ジュンク堂において開催された、萩尾望都×三浦雅士「出生の秘密をめぐって」に応募していたのだけど見事に外れる。当選者のみ葉書が郵送されるとのことだったので、それはもうわくわくしていたのに、いっかな来る気配はない。前日になっても、当日の朝になってもこない。もしかしたら私の見落としで、要らない郵便物の束とともに捨ててしまったのかもしれないと、僅かな希望にすがりつき、まといつく羞恥心を振り切って昼休みにジュンク堂に電話をし、当選者の中に自分の名前がないかと尋ねるも、見事に落選していたもよう。がーん。返せ、私の羞恥心。それにしても、いったい倍率は何倍だったのだろうや。かなりがっかりする。行きたかったよう。
 その代わりといっては何だけど、国際交流基金主催『春樹をめぐる冒険―世界は村上文学をどう読むか』というシンポジウムには当選する。
http://www.jpf.go.jp/j/intel_j/topics/murakami/index.html


 到着した文章によると、こちらも一応、抽選だったらしい。こちらもこちらで倍率は何倍だったのか気になる。どちらも同じくらい行きたかった、いや、正直いうと5.5対4.5くらいで前者に行きたかったのだけど、まあいいや。喜んでおく。わーい。


 村上春樹の作品と翻訳に焦点をあて、そのブームの秘密、国や世代による読まれ方などを探るというのがこの企画の眼目だという。そういえば、数年前、中国に行ったとき、書店に村上春樹の翻訳本がズラリと並んでいて驚いた事がある。その前で地元の大学生と思しい二人連れの兄ちゃんが、三部作を手になにやら大声で喋っていた。しかしながら、なにぶん私もその時一緒にいた友人も、皆目チャイ語を解しないので何を喋っているのかわからず、しょうがないので勝手にアテレコを入れて楽しんでしまった。この間読んだ『翻訳文学ブックカフェ』でも、中国や韓国で『ノルウェイの森』が、日本よりも売れたという話が載っていた。面白いことに中国では、翻訳した人が大人気でサイン会などにひっぱりだこらしい。

 
 基調講演がリチャード・パワーズだと知って驚く。ABCで柴田元幸と対談するらしいけど、その流れなのだろうか。こちらもこちらでかなり楽しみ。って、25日か。困った、観劇とかぶるかも、か。