2006-02-01から1ヶ月間の記事一覧

きょうよんだほんから

村上 (中略)ところで、本の紹介で思い出したけど、僕がときどき存在しない本について書いていたの知ってます?新元 え、どういうことですか。村上 昔の話ですけどね。やりたくないのに書評の仕事を引き受けて、いろいろ読んでも面白い本がなかったときはで…

きょうのできごと

その声が聞こえたのは、書店で夢枕獏『キマイラ青龍変』を立ち読みしている時だった。宇名月典善と馬垣勘十郎が焼き鳥屋で余人にはうかがい知れぬ気のぶつけあいをしているところだった。この馬垣という男が、キマイラ本編にでてくる当麻真玄流の馬垣勘九郎…

何を見ても何かを思い出す。

過日、爆笑問題の番組を見ていたら古川日出男がでていた。古川が語る創作の秘密、というような内容で、散歩をしながら妄想の世界を歩き、それが作品を生みだしてゆくのだという。普段、散歩をしながら何を考えているかを、スタッフがその散歩に同道し話を聞…

さいきんよんだほんから

四方田犬彦によれば、「あらゆる女の子を『かわいく』変身させてしまう、魔術的な装置」であるプリクラに「大人」としていち早く着目したのは種村季弘だったという。無時間性のうちに切り取られた空間。外部と遮断され、完全な平穏につつまれた密室で理想の…

不純な読書

樋口敬二編『中谷宇吉郎随筆集』をぱらぱらとめくっていると「I駅の一夜」という文章の中に「盛岡」という文字が目に止まる。おや、と思い読み進める。戦時中の話なのだという。戦時研究の大事な要件で上京するため北海道からでてきた中谷は、青森発上野行き…

『ケータイ刑事』を観るか『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』を観るかで友人と30分ほど話し込む。

書店で文庫の棚を見ていた友人が一冊抜きだし首を傾げたのでどうしたのかと尋ねる。 「いや、この本買ったかどうか思いだせなくて」 何を手にしたかと見ればダンセイニの『時と神々の物語』。ダンセイニなんか読むのかと少々意外の感を覚えるも、よく考えれ…

真処女や 西瓜を喰めば 鋼の香

帰宅してテレビをつけると風にひるがえる白い翼とそれをあやつる少女の姿があらわれた。『風の谷のナウシカ』だった。そういえばユパとクロトワ好きだったなぁ、と思いだすと懐かしくなり、着替えもそこそこに見入る。まともに観るのは十数年ぶりなのにもか…