2005-11-01から1ヶ月間の記事一覧

青年閑居して荒野を目指す。いはんや少年をや。

吉野朔実『少年は荒野をめざす』の中で少女に強く惹かれる評論家に向かって、少女の母親である作家が、何故よい歳をした大人が娘に興味を持つのかと問う場面がある。そこで評論家は「僕は夢を見たことが無い」と云い、それが比喩ではないと知り驚く母親に「…

心の折れる音

そろそろ本格的に冷え込みが厳しくなってきた帰り道、いつもの古本屋の均一棚でロジャー・ゼラズニイ『魔性の子』を購入。イラストレイテッドSFシリーズの方。50円。他に早乙女貢『幕末愚連隊』、グレアム・グリーン『ヒューマン・ファクター』をそれぞれ20…

一寸の虫でも五分きざみ

帰りがけ古本屋の軒下に置かれた均一棚をのぞいていると、蓮實重彦『陥没地帯』を見つける。哲学書房の方で値段は20円。河出の方も持ってはいるけど値段につられて購入。その後、他の古本屋の軒下で石川淳『普賢』『焼跡のイエス・処女懐胎』を100円で購入。…

雨の古本市

先週の土曜、日曜と二日続けて神保町に出向き「神田古本まつり」をぶらぶらと。 五日もたてば記憶はかなり曖昧にもなるもので、家を出たときから怪しかった雲行きが、会場に着いてしばらくすると小雨がだんだんほんぶりになってきて辟易した記憶があるのみで…

本当に見たのか自信が無くなってきた。もしや文車妖妃か?

書店に行き棚を見ていると、低いところから押し殺したような笑い声が聞こえてきた。はてと思い横を見ると、私の肋骨のあたりで、おさげに眼鏡の赤いランドセルを背負った女の子がマンガを読んでいる。何を読んでいるのかと思えば谷岡ヤスジ。谷岡ヤスジを読…