ラッシャー木村は打たれ強い!

 年末からどうにも体調がおかしいと思っていたら、風邪を引きかけていたらしい。実家に着いて、徹夜明けだからと布団に潜り込み、数時間して目覚めた瞬間、妙な寒気を覚えたと思ったら鼻水は止まらず、痰が絡む咳が喉をついてでる。これはいかんと、母に薬を貰い、軽く食べ、ふたたび寝ようとしたところ、雪かきをしろとの言葉を賜る。あなたの子供は非常に疲れ風邪を引きかけている、それに正月くらい休ませて欲しい、と言ったところ、正月くらい働けとの言葉を賜る。働いとるっちゅうねん、という抗議には耳もかされず、スコップを押し付けられ、外に出される。やんぬるかな。寒かった。


 三が日は母のお供をして知人宅の挨拶回り。色々とストレスフルにさせてくれる会話をし続け疲れたので、地元に唯一のブックオフに立ち寄り何冊か購入。とりあえずTONOに癒される。おお、そうだ『カルバニア物語』の最新刊を買わねば。
 今回の帰省に持ち帰った本はあらかた読んでしまったので、実家の本棚の片付けついでに発掘してきたものを読み返す。とりあえず朝松健『私闘学園』を全部読み返す。おそらく私の基礎的な教養は13〜15の頃に読み漁ったレーベル、わけても朝松健、藤井青銅黒田幸弘吉岡平火浦功グループSNEあたりによって形作られているので、頭を抱えこんでしまうくらい懐かしくなる。この本と、同時期に読んでいた栗本薫『魔界水滸伝』によって、なるほど小説とはこんなにも融通無礙なものなのかと開眼したことが今の私の読書に影響しているのかもしれないと思うと何だか感慨深い。

高田馬場か。高田と馬場……UWFインター全日本プロレス……。ううん。なんて格闘技にふさわしい地名なんだ。やっぱり、東京は一味違うぜ!」


朝松健『私闘学園8 私闘学園〔完結篇?〕』p202

 そう、これを読んで数年後、馬場に降り立った私はこの言葉を思い出し感慨に浸ったのだ。いるはずだ。他にも絶対にそういう人はいるはずだと思い、何人かに聞いたことがあるのだけど、その度決まって「アナタハナニヲイッテイルノデスカ?」という顔をされ、未だ出会えずにいる。みんなうそつきだ。