2009-01-01から1年間の記事一覧

時折自分の記憶力が悪かったということを忘れてしまうくらいに記憶力が悪い。

朝起きると妙に気だるく寒気がし、風呂からあがる頃には節々が痛み鼻水がでるわ咳が止まらぬわ眩暈がするわでまるで風邪のようだと思ったら本当に風邪だった。久しぶりに病院にいったら安静をもうしわたされる。一人暮らしの悲しさで上げ膳据え膳なんてのは…

君には最大限の自由がある。ただし我々が認める範囲で。

本屋の中をふらふら歩いていると面陳された本の表紙にふっとすいよせられる。はじめ思ったのはあの有名なパレンケの翡翠の仮面? いや違う、巨大な……これはなんだろう……赤ん坊の顔? と、妙に気になり鴻池朋子『インタートラベラー 死者と遊ぶ人』(羽鳥書房…

最近読んで面白かった文章。

一般にすぐれた年長者との出会いは、自分のモデルとの出会いという意味で自己確立の契機であると同時に、相手の圧倒的な影響力によってそのモデルの中に自己を見失う自己喪失の危機をも意味する。とくに分裂病質者が相手から適当な心理的距離をとることによ…

私とかかわる人達の中にその数だけ「私」が存在するという恐怖

後出しじゃんけんのような話でまことに恐縮ではあるのだが、中村明日美子『ダブルミンツ』(茜新社)を読んでいて、これは名前をめぐる物語ではないのかと思っていたら、あとがきでそのようなことが書かれていて、普段は「いやいや物語と作者は別物ですよ。…

白き午後白き階段かかりゐて人のぼること稀なる時間(葛原妙子) 

アスファルトが溶けだしそうな暑さの中、街をあるいていたらふとこの歌を思いだす。別に夏の歌だというわけではないと思うのだけど、夏のあの大気がゆらめく中でもの皆白く輝いているような眩暈のするようなそんな一瞬に、すっと地上から伸びた階段。時間の…

もう一生分のくるりは聴いた、と友人は言った。

目的に優先順位をつけるとしたら、 1、京都で友人に会い、一緒に大覚寺の五大明王展を見にいく 2、みやこめっせで春の古書市を見る 3、大阪で友人に会う の順だった関西旅行。その全てを叶えられたので良い旅行だった。 出発は4月30日の夜行バス。いつも夜行…

真っ直ぐな道すぎて寂しい午前11時。

目覚めてしばしぼうっとする。窓の外の陽気に誘われ外出し、あまりにも暇なのでそのまま歩きだす。黙々と歩き続けること6時間。一応の目的地を定め歩いていたのだけど、小休止ついでに何気なく路面の市街図を見ると思っていた方向と90°ずれて歩いていた事に…

誤植に爆笑。

スーザン・ブラックモア 山形浩生/守岡桜 訳『「意識」を語る』(NTT出版)を読んでいる。「意識」とはなにか、という問題についてのインタビュー集。でてくる顔ぶれは、哲学者から数学者から精神科医がいるかと思えば生物学者もいるという多彩さ。で、い…

森鴎外に説教されるという夢をみる。私はいったいなにをしたのだ?

恩田陸の作品を読んで、これは予告編ですか、本編はまだですかと思うというのは別に今にはじまった事ではないので別によいし、いま読んでいるものをあとにつづくより大きな物語の予告編として読ませてしまうところはこの作者の持ち味だとも思うのでそれもよ…

友人が「大枚をはたく」を「玳瑁をはたく」だと思っていた事が明らかになった。「だって玳瑁って貴重じゃない」といわれた。常識のエアポケット。

電車にゆられていると、となりの人がかばんから文庫本をとりだした。こういうとき、何を読んでいるのかとのぞき見てしまうのはどうにも品がよくないと思うものの、気になるものはしょうがない。ついつい横目でちらちらと見てしまう。カバーがかかっていてタ…