2006-06-18から1日間の記事一覧

最近ちょっと面白かった話 その4

荒俣 そう言えば、かつての鬼退治のグループもみんな水の一族ですね。安倍晴明にしても、渡辺綱をはじめとする渡辺党にしても、元来は水の民です。 小松 渡辺の一族は難波の、今の中の島あたりの出自です。そこから分かれたのが海賊の松浦党*1です。都では海…

最近ちょっと面白かった話 その3

今更ながらではあるが、宇月原晴明が山本周五郎賞を取ったらしい。めでたい。受賞作の『安徳天皇漂海記』を始めとして、この人の作品はどれも伝奇小説のある種の理想系なので、これを機に専業作家になって、もっと書いてくれないものだろうか。量産は難しい…

最近ちょっと面白かった話 その2

柴田元幸『愛の見切り発車』(新潮文庫)を読む。海外小説の紹介と、7人の海外作家へのインタビューが収録されている。僅々数ページでその本の読みどころを紹介し、読者をしてここで紹介されていて読んでいない本を求めて図書館ないしは書店へと走らせかけ…

最近ちょっと面白かった話 その1

太田俊穂『城下町盛岡遺聞』(大和書房)という本を読む。著者の故郷、盛岡に縁のある人物や在りし日の町の姿を描くその中に、興味深い文章を見つけ思わず小躍りする。 流泉小史という人がいたのだという。何でも岩手の産で長じて上京し福地桜痴、黒岩涙香、…