やすみがなくなる
注文していた永田紅『歌集 ぼんやりしているうちに』がようやっと入荷したというのでいそいそと購入する。
配本がなかったのか知らないけれど、見てまわった範囲内でジュンク堂やその他、大阪屋を使っている書店には全然なく*1。注文したあとで日販系の書店を見たらちゃんと入っていて臍をかむ。キャンセルするのもなにがあれなので、二週間近く待つ。やっと届く。嬉しい。2001年から2007年までの歌をまとめた歌集。まだ読んでいる途中ではあるもののこんな歌が印象にのこる。
この世ではずいぶん時間がたったのだコスモスを何度も見てきたのだから
ぼんやりと過去へと戻りたがる思考沿線にコスモスの花はあふれて
そうと知らず留まれる世に草の穂は揺れ草の穂に触れて歩みぬ
こんな日に新入生は嬉しからむ手に上着もて並木を歩く
時間のうつりかわりとコスモスの花。音の面白さ。春と新入生の光景をきりとるその鮮やかさ。どれも良いなぁ。それにしても、永田紅、随筆というかエッセイみたいなものださないだろうか。読んでみたい。
あとこんな歌も印象に残る。
亡き人に会えざることを今更のようにありありと思いいる朝
で、これを本歌にしてひとつ
亡き人なれば会えざるが会えざるは亡き人ならずともの思う夜
おそまつさま。