"愛"義務"人類"徳"

 

 帰りがけ書店に寄ると吉田秋生『イヴの眠り 4』が並んでいたので購入。確か26日発売かと思ったのだけど早売りされていたもよう。帰宅後一気に読む。吉田秋生の紡ぎだす物語に降伏。
 前巻の引きが引きだっただけに、さてどうなるかと読み進んでいくと予想よりも展開が激しく嬉しくなってくる。ここにきてまさか『Yasha(夜叉)』のあの人がでてくるとは。しかもあんな重要な役で。顔が変わりすぎていて最初誰だかわからなかったよ。しかしこれ『月刊flowers』連載だよな。いいのかあんな描写。
 人の魂を持たず虚無的で残忍な殺人鬼であるはずの死鬼のその行動原理が、実は存在(命)に対する強烈な負の感情なのではと思わせるような描写があり中々に面白い。だとすると、そういった感情に突き動かされる死鬼は非常に「人間」らしいという事になってしまうと思うのだけど。その事に死鬼自身が気づいたとき何か起こるのだろうか。
 虚無の中に強烈な負の感情が渦巻く死鬼と、そんな死鬼にどうしようもなく惹かれるアリサの関係が今後どうなっていくか楽しみ。健気な列も今回は男の子として一つの決断をしたようだし。
 なんにせよいよいよ本格的に物語が動き始めてきたようで次巻が期待されるところ。