そういえばこんな言葉もあった。

「あたしの経験によると、得意料理にトマト系の料理を挙げる男は危ないの。トマトと茄子のスパゲッティはいけないわね。危険度ナンバーワンだわね」


―中略―


「(理由が分からない。カレーや焼きそばよりマシではないかという友人の言葉に対し)カレーとか焼きそばなら可愛いもんじゃない。相手のレベルが運動部の合宿程度なんだなってすぐ見当つくでしょう。でも、トマトと茄子のスパゲッティと言われると、騙される。なんとなく料理が得意そうな気がする。でもさ、しょせんスパゲッティよ。確かにきちんとアル・デンテにするのは難しいけどさ、イタリアじゃ誰でも食べてんのよ。麺茹でて具を絡めるだけじゃない。それを得意って言う奴は、実はそれしかできない奴が多いのよ。しかも、トマトと茄子なんて色綺麗だし、完成すると満足感あるから、すごく料理したような気分になるのよね。第一、本当に料理得意なんだったら、絶対にこんなメニュー挙げてこないと思わない? 毎日献立組み立てて作っている人だったら、特にメニューなんか挙げられないよ。あたし、女でも得意メニューはビーフストロガノフですとかきっぱり答えるてる奴は、『お前、それ以外作ってないだろう』って思うね。だからさトマトと茄子云々って言う奴は、それしかできないにもかかわらず、自分は料理が得意だという幻想に陥りやすい。つまり、得意料理にこれを挙げる奴は、自分を過大評価する奴が多いのである」

 爆笑。