むまさうな雪がふうはりふはりかな


 妙な静けさの中で眼を覚ます。深々と沈み込んでいるのだけど、どこか遠いところがざわついているような気配。布団から這い出ると肌がぴんと張るような寒気を覚える。吐く息が白い。もしかしてとカーテンをめくると、そくそくと雪が降り積もっていた。寝惚けた頭に白く染まった道路を見ていると、実家にいるような気がしてくる。寒さに震える体に布団を巻きつけしばらくぼんやりと窓の向こうの景色に心を飛ばしていたら、私は外に出るのが嫌になってしまった。