必要は発明の母。


 帰宅したらガスが止まっていたのでとりあえず困ってみた。
 料金の払い込みを忘れていたことに気がつく。すでに営業所は閉まっている時間だったので、払い込みに行くのは明日にして一風呂浴びようかと、服を脱ぎ風呂場にいったところでガスが止まっている事を思い出す。水しか出ない。ふむ、しょうがないかと服を着込み、食事でもとろうかと台所に立ったところでガスが止まっている事を思い出す。コンロが使えない。しばし悩む。備蓄の食料品を見たところ火を通さずに食べられそうなものはない。これは困ったと棚を漁っていたところ、以前買っておいたパスタソースが見つかる。パスタソースをレンジで温めてそれだけ食べようかと思ったがあまりにも侘しい。棚を見ると、パスタは十分にある。ふむ。一思案し、もしかしたらいけるかと電気ポットにお湯を沸かした。耐熱容器に半分に折ったスパゲッティを入れ、そこに塩と沸いたお湯を注ぎ、蓋をしてレンジにかけてみた。その間、お湯の残ったポットにパスタソースを入れ再沸騰。3分ほどレンジにかけた後、耐熱容器を取り出し中のスパゲッティを食べてみたところ固い。さらに4分程かけてみる。良い具合に茹でられている。アルデンテとはいかないが中々に食べられる。お湯をきり、スパゲッティを皿に移し変え温めておいたパスタソースをかけて食べる。何だか悲しくなってきた。