書店にて


 探していた本、読みたい本、目に付いた本などを購入し、ほくほく顔で帰ろうとしたところ、つい足を漫画コーナーに運んでしまったのが運のつき。今市子の新刊『雲を殺した男』を見つけてしまう。一月に二冊でるとは思わなんだ。手にとって値段を見るに、あああ……。財布を見るが足らず。わずかに100円足らず。郵貯のATMはしまっている。コンビニなどで手数料をかけて下ろすには抵抗がある。手にとった本を泣く泣く平台に戻す時の口惜しさ情けなさ恨めしさ。いやさひと時の別れなれば泣くまい泣くまい。ともするとコンビニに向かいそうな足をもちあげひきあげ帰路につく。

 それでも帰りがけによった古本屋で篠田統『すしの本』を300円で発見し、嬉しくなってつい購入。
 文化人類学者であり食文化に関して一代の碩学であるところの石毛直道が、以前なにかで本書を「すしの考察を体系的に進めた初めての本*1」と賛していたので興味を持っていたのだが今回出会えて嬉しいかぎり。岩波現代文庫からもでているが、今回見つけたのは柴田書店の方。岩波の方は石毛直道が解説を書いているのでこちらも欲しいがまあいいや。

*1:うろ覚え。「学究的なアプローチとしては」だったかもしれない